もし、家族の誰かに心の病気の徴候が見られたら、専門医の受診を勧めてください。心の病気の発見、治療には、ご家族の理解と援助がとても重要になります。
患者の変化に最初に気づくのは、やはり身近にいる家族の方が一番多いといえます。ところが、心の病気に対する理解は、未だに浅く、社会的偏見や誤解を抱いている人も、少なくありません。
家族の誰かが、様子がいつもと違い、おかしいことに気づきながら、「うちの家族に限って、うつ病になるはずがない」とか「近所に知られたら恥ずかしい」と、うつ病が手に負えなくなるまで、見て見ぬふりをするケースも多いのも事実です。
これは患者さんはもちろん、家族全員にとっても、非常に不幸なことです。早期発見して、早期治療すれば、すぐに治るものが、治りにくくしてしまいます。
心の病気は決して恥ずかしいことではありません。人間にも、体と心があり、体が病気になるように、心も病気になります。まず、家族のかたが、その点をキチンと理解して、早く精神科及び心療内科を受診するように勧めてください。
本人が自分から専門医を受診する気になるまでは、無理強いは禁物です。ただ、自殺などの事故が起こらないように見守りながら、「専門医に診てもらえば、必ず良くなる」との説得を続けましょう。
どうしても本人が受診に抵抗があるようでしたら、家族だけでも良いので、早めに相談に行き、どのように対処したらよいのか、専門医からアドバイスを受けるべきです。