1.夫婦の離婚と子どもの心理

離婚を刷る場合、子どもには、なるべく離婚の影響を与えないように親が配慮します。

しかし、現実には、親権者、養育費、財産分与などの課題を解決し、急速に変化する生活に対応するため、子どもに十分な配慮ができなくなります。

親権を争って、子どもを巻き込んだり、養育費を払わないならば、面会を拒否するなど、離婚を進めてゆくうちに、子どもの心理面に配慮ができないケースが多く見られます。

親の離婚は、子どもにとって、障害におけるもっとも深刻な事態です。

子どもは身の回りの人との関係や周りの出来事を、取り込んで成長してゆきます。

子どもから見れば、大切な両親の離婚という争いによって、どちらかの親と別れねばなりませんし、兄弟姉妹と別れることもあります。

場合によって、転校も必要となり、生活レベルも生活環境も変わらざるをえなくなります。

子どもが両親から離婚を告げられたとき、片方の親と家を出る時、または、片方の親が自分を置いて出て行ったとき、子どもの悲しみという心理は想像がつきません。

子どもにとって、離婚と家庭の破壊が現実になったとき、子どもの心には、悲しみ、不安、心配、怒り、恨み、憎しみ等、さまざまな多種多様の感情がわきおこります。

その結果として、整理のつかない、あるいは対処しきれない感情が、子どもの気持ちの深いところに傷を残すことになります。

子どもが自分自身のせいで、自分が良い子でいないから、離婚をしたのではないかという、責め心を持たないように、両親が十分注意が必要です。

<事例>

中学時代から、両親の不和に心を痛めていたB子の例では、周囲からもうらやまれるほど幸せだった家庭が、突如として、B子の中学時代に、家庭は危機的状況になり、いつ両親が離婚しても、不思議ではない状態でした。

B子は、何とか両親に仲直りをして欲しいと思い、中学、高校時代は勉学に励みました。

良い成績を取ると、両親は喜び、授業参観にも夫婦で来てくれました。

そのことで仲直りをしてもらえたら、と優等生を続けました。

しかし、結果として、両親は離婚を選択しました。

その時、B子は、両親を繋ぎ止めることができなかった自分の力の無さ、無力感、挫折感がなにより辛かったことを語っています。

どんなに子どもが両親の仲直りを望んでいたとしても、子どもの力では、どうしようもないこともあるのです。

離婚は大人の事情であって、B子の無力のせいでないことを、B子はカウンセリングを通じて、気づくことができました。